こんにちは、もちみです。
今日は独身のとき言われてもやっとした一言についてです。
まだ独身だった頃、子持ち専業主婦の知り合いに言われた言葉です。
「仕事してるより育児の方が大変だよ。」
自分も遅ればせながら子どもを産み、半年ほど育児を経験し、かつ社会で9年働いた経験がある。
その立場から、「仕事より育児の方が大変なのか?」考えてみようかなと思います。
言われたときの状況
多分その子の子どもは私の子と同じくらい、生後半年くらいだったと思います。
社会人として1年半くらい働いて、子どもできて、結婚して、仕事を辞めたっていう状況でした。
でまぁ、そのときは「そうなんだー大変だねー」って返したんですが、
本音では、「そのキャリアで、仕事の方が楽って言われても・・・」って正直モヤっとしました。
ただまぁそのときは自分は育児を経験してないわけで。
経験してないことについて何か言うのは違うかなと思ったので黙ってました。
さて自分は
もしこれが双子ちゃんだったり、兄弟姉妹がいて子ども2人~3人だったり、シングルママだったり、NICUに入ってる赤ちゃんだったりしたら、まったく変わってくる話です。
が、あくまで、生後半年の子が1人、社会では働かずに24時間育児してる状態、で思うのは
「仕事の方が楽、ってことはないだろう」です。
そもそもこの話思い出したきっかけとして、昨日育児休暇中の手当金が振り込まれまして。
「いやー働いてないのにこんなもらえるなんて、ありがたいねー」
って言ったら旦那に
「育児っていう仕事してるでしょ。」
って言ってもらえたわけなんですけど。
2ヵ月に1回振り込みだから、1月分に割ると、働いてた頃の手取りより少し少ないくらいになります。別途住民税も払っているから実質は更に下がります。
それでも、「いくら育児してるとは言え、やっぱもらいすぎだわ」って感覚でした。
仕事してた頃は給料上がんないかなーってよく思ってたので、それより少ない金額で「もらいすぎ」って思えるのは、感覚的には"仕事の方が大変だった"、と感じてるということだと思います。
でもこれは先にも書いた通り、子どもの数や、家族の状況によって全く変わってくる話です。
ではもう少し客観的に比較してみようと思います。
育児の大変さとは
"思い通りにならない"という部分が大半を占めると思います。
子どもは自分の思い通りになどならない。自分がやりたいことをしているときでも子どもが泣けばすぐ対応しなきゃいけない。自分が眠くても、子供が起きたら見ていなければいけない。ところどころ休みはできるけど、そのハンドルを握るのはすべて子どもである。
しかも今は
「泣いてるのを無視するとサイレントベビーになる」「幼い頃に英語教育をしないと耳が育たない」「小さい頃の愛着関係がその後の人生を左右する」
など科学的根拠を元にしたんだかしてないんだかな育児論がそこかしこに転がっています。
云わば、「ママが努力しないと、この子の人生がダメになる!」と、子どもの人生を人質にとられているような状況で、24時間育児に向き合わないといけないんですよね。
これが大変なプレッシャーとなる。
よって、
母親という逃げられない環境で、
子どもの将来というプレッシャーを負いながら、
思い通りにならない子どもに合わせて動かなければならない、
というのが育児が大変だと言われる主要な部分ではないかなと思います。
※もちろん「子どもの可愛さですべてチャラ!子どもの幸せが私の幸せ!」っていうのはあると思いますが、そういうプラス要素は一旦排除して考えます。
仕事の大変さ
仕事の大変さは職種によって異なるものの、やはり"社会的責任の重さ"、だと思います。
毎日決まった時間に出社をする必要がある。満員電車、疲れてても眠くても座れない。
顧客相手の商売だと、こちらの思い通りになどなりはしない。残業して、時に徹夜して、身体も精神もすり減らして作成した資料も顧客の気分で却下されたり、こきおろされたり。それでも表面上は取り繕う必要がある。ビジネスだから、感情はできるだけ抑えて、ゴールに近づける必要がある。
評価は成果によってシビアに返ってくる。肩書き、賃金。周囲からの態度。
毎日を共にする同僚は選べない。いい上司にあたるとは限らない。部下は育ててなんぼ。でも懸命に育てた部下が急に転職したり噛みついてきたり。自分の失敗じゃなくても頭を下げることもある。自分の失敗で上司に頭を下げさせてしまうこともある。
よって、
社会的責任を負った立場で、
会社の利益・自己の成果達成というプレッシャーを負いながら
思い通りにならない周囲の人々を動かしつつ目的達成する必要がある、
ということが大変といった感じでしょうか。
比べてみると
書き連ねると収集つかないので、いくつか観点をあげてみます。
※自身の経験に基づくので若干偏ったものになることはご了承ください。
自分の思い通りになるか
- 仕事:周囲の人次第。新人ではほぼ不可能。ただし経験とテクニックにより、ある程度思い通りに動かすことが可能(というよりそれを求められる)
- 育児:ほぼ不可能。(ベテランだとテクニックにより可能なのかも・・・?)
労働時間
- 仕事:会社都合での残業・休日出社あり。会社によっては携帯で24時間呼び出されることも。有給休暇が取れる。
- 育児:呼ばれたら即対応必須。意外と休み時間は取りやすい。ただしその時間は家事に充てる必要あり。基本休日はない。
社会的責任
- 仕事:会社によるが、自分の失敗が他人(上司同僚)、やばいときは会社全体に影響を及ぼす
- 育児:失敗したとしても、基本的に自分の家庭内にのみ影響を及ぼす。ただし間接的に社会に影響を与える人材を付きっきりで育てており、子どもが何か問題を起こすと「親のしつけが悪い」と思われることが多いため、プレッシャーは大きい。
人間関係
- 仕事:上司・同期・部下と一緒に仕事をする。肩書きによって明確にポジションが分かれる。
- 育児:基本的に一人もしくは夫など家族と一緒にする。ただし子ども関係の付き合いとしてママ友・PTA・スポ少サポータなど並列に近い関係性の集団に属する必要がある。
フィードバックを受けられるか(モチベーションを上げる要素があるか)
- 仕事:成果及び周囲の評価、関連して賃金でフィードバックを受けられる。指標は明確だがシビア。
- 育児:子供の態度でフィードバックを受けられる。指標は曖昧だが頻繁。
ゴールは明確か(モチベーションを保ち続けられるか)
- 仕事:大抵の場合は明確。
- 育児:不明確。「何かをした」からと言ってそれが形になって返ってくるのが数年後となることも多い。
身体的負担
- 仕事:職種による。デスクワークの場合、それほど。満員電車が一番すり減る。
- 育児:3キロから始まり段々と重みを増す身体を、子供の気分で上げ下げする必要あり。肩と腰にくる。
精神的負担
- 仕事:周囲との人間関係、社会的責任の重さ、により負担は大きい。
- 育児:自分以外の替えが効かない、という点において負担は大きい。
独立性
- 仕事:契約で成り立っている関係なので、契約を切れれば関係も切れる
- 育児:血でつながっているため基本的に一生切れない関係
結局
これを書き始めた時から結論は分かってたんですけど、
どっちが大変もないんですよね。
強引に比べてはみたけれど、それこそ職種の違い、みたいなもので、
時と場合によるから比較しても仕方がない。
よく主婦の賃金換算したら年収1000万だ、とか育児を会社に例えたらブラック企業だ、とかいろんな記事を見かけます。それは本当にそうなんだと思う。分かりやすい例えだなと。
でも実際には母親業は会社勤めではないし、賃金が発生することはないでしょう。
そしてやっぱりなんだかんだで社会で実際に働くことは大変だしつらい。
仕事も大変。育児も大変。
どっちかがどっちかより大変、なんて言いきれない。
そしてどちらも、その努力に見合う見返りもある。
少なくとも冒頭に出てきた知り合いの言葉には異議を唱えたいですが、それももしかしたら私たちに見えない家庭内の問題とかあったのかもしれないしね。そしたら今の私と状況が違ってくるから、やはりなんとも言えません。
今考えれば、彼女の周りの人たちは、自分も含めみんな仕事をしていて、「忙しくて大変」と言いながらもキャリアを積み、自分の給料で好きに靴や鞄を買って、少し自分が置いてきぼりをくったような気持ちになってたんだと思います。でき婚(授かり婚)に、親世代は批判的だし、なんとか虚勢をはりたくて、そんなこと言ったのかなーと、今は思えます。
でもやっぱり言っちゃいけない一言だなとも思いますけどね。
その人の状況なんて、他人にはわかんないのだから。
せめてわかりやすい位置にいる夫婦間では、
どっちが大変もないのだから、お互い助け合っていこう、
ってやっていけるといいなと思います。
本日は以上です。長かった・・・!