この記事は、金融についてはど素人の主婦が、FP2級に独学&勉強期間3週間で合格した方法をまとめています。試験本番では、合格ライン6割得点のところ、学科・実技共に8割以上得点して合格しました。
独学&短期間でしっかり知識をつけた上でFP2級に合格する勉強方法、FP2級と3級の違い、試験当日の注意点、FP2級を取得したメリット等をまとめています。
はじめに:筆者スペックと受験目的
- 2017年9月試験でFP3級に合格。3級の得点率は学科・実技共に約9割。
- 30代主婦。文系出身。
- 多少資産運用はしているものの、素人に毛が生えた程度の為アドバンテージはほぼなし。(※アドバンテージがあると思われるのは金融、保険、不動産業などにお勤めの方や、会社経営者・経理会計の知識がある方などかと思います)
- FP3級・2級を取得するのは、仕事のためではなく実生活に活かす為。よってあくまでも受かることは結果論で、学習することを重要視。
FP2級と3級の違い
問題難易度と出題範囲
基本的に、勉強範囲・分野は3級とそう変わりません。試験範囲については下記記事にまとめてありますのでご参照ください。
しかしFP2級・3級では下記2点が大きく異なると感じました。
①設問の難しさ
3級は学科・実技共に全て選択問題。また、問題文が平易で選択肢もあまり引っかけがありません。
しかし2級は、学科は全て4択問題になり、問題文も引っかけ問題が多くなります。よって細かい部分まで正確に暗記しなければなりません。
また、実技が筆記になりますので、まぐれで合格する可能性がほぼなくなります。計算問題もたくさん出るので、きちんと解き方を覚える必要があります。
②法人に関する内容増加
3級では法人に関する部分はほとんど出ませんが、2級では法人関連のボリュームが増加します(法人税や法人絡みの贈与、相続等)。
逆に言うと、3級の勉強をしっかりした人であれば、2級の法人に絡む章のみ拾っていけば、効率よく勉強することができると思います。
受験資格
FP3級は誰でも受験が可能ですが、FP2級は下記を満たす人のみが受験可能です。
学科
実技受検資格 受検申請書の記入方法と添付書類 学科試験
実技試験3級技能検定の合格者 3級合格証書の合格番号を記入 FP業務に関し2年以上の実務経験を有する者 実務経験年数を記入 日本FP協会が認定するAFP認定研修を修了した者 AFP認定研修の修了証書の写しを添付 厚生労働省認定金融渉外技能審査3級の合格者 合格した等級・コース名と受験した年月を記入
素人であれば一番上の"FP3級技能検定の合格者"に該当する人がほとんどかと思います。FP3級を取得した後はすぐにFP2級を受験するのが受かりやすくておすすめです。
FP3級は非常に簡単な資格なので、FP3級を受けずに2級受験ができる方はいきなりFP2級から受験してもまったく問題ないと思います。FP2級の教科書でも、3級の内容は網羅されています。
合格率
2018年9月時点では以下の通りとなっています。
■FP協会で受験する場合の合格率は、学科で約4割、実技は約5割。(参考:2018年9月試験の合格率データ)
■金財で受験する場合は、学科で約2割、実技2.5割。(参考:2018年9月試験の合格率データ)
FP3級の合格率は7~8割の為、それに比べると難易度はあがりますが、合格率を見る限り比較的簡易な資格であるといえます。
FP協会と金財、どちらで受験しても資格取得が可能です。学科の問題は同じで、実技の出題形式が異なりますので、好みで選べばよいと思います。私は3級同様FP協会で受験しました。
金財の実技問題も解いてみましたが、特に難しさは変わりません。金財は企業単位で申し込むことが多いので、合格率が下がる面があるようです。
費用
※私が受験した2017年1月時点の金額です
学科・実技合計で受験料約8000円。
勉強代は、教科書・問題集・アプリで各2000円ほどで計6000円。
総合計約14000円で取得できました。
FP3級は受験料約6000円、参考書類合計3000円程度で、合計9000円でした。やはり2級の方が全体的に少しお高めです。
費用を抑えたいなら、1冊の教科書&問題集をやりこむこと、一発合格することが大切です。
なお、使用後の教科書・参考書はメルカリなどで売れば多少モトが取れます。私も2級の教科書以外は売りました。
勉強方法
使用した参考書・アプリ
3級のときと同じシリーズを使用しました。これほんと独学者に超オススメです!
★オススメポイント★
- 教科書はフルカラーで図解(板書)が非常に分かりやすく、絵で覚えられる&文章も読みやすい
- 各章・各セクション単位に問題がついているので、すぐに知識試しが可能
- 購入者は重要ポイントをまとめたPDFもDL可
- 問題集は、学科・実技の問題+総合問題が1回分で必要十分量
- 問題集と解説は分かれているタイプ。解説は章ごとのポイントが分かりやすくまとまっているので、試験直前に読み返すと効率よく復習可能
★マイナスポイント★
- 3級と比べると語呂合わせなど覚え方に関する記載が減ったのはちょっと残念
【アプリ】
3級のときは無料のものを使用しましたが、今回は問題集と連動したアプリを購入しました。アプリは無料ですが問題を解くためには別途1800円必要です。
なお、紙の参考書を買ったからって割引とかないです…
★おすすめポイント★
- 学科のみ収録。本試験は4択だが、一問一答形式で解くことも可能な為、もっぱら一問一答モードで利用。一問一答で合計770問収録と問題数は十分。
- ランダム出題・時間制限機能あり
- データ分析機能があって、間違えた問題が自動保存される他、気になる問題に任意に保存することも可能。また他のユーザが間違える傾向の強い問題なども分析されているため、直前の力試しに最適。
★マイナスポイント★
- 高い
- アプリなので解説はあっさりめ。
- 間違えた問題や任意の問題を保存できるが100問しか保存されない仕様のよう。というか実際には100問以上保存されているが、解こうとすると100問しか表示されないという仕様なだけ…?
3週間のスケジュール
勉強時間は、金融業界などに勤めていない素人の場合、およそ150~300時間程度が目安らしいですが、3週間ではそんな時間は確保できません。ざっくり計算ですが、私の場合80~90時間程度でした。平均すると平日3時間、休日6時間程度です。
FP2級に短期間で受かる人の勉強法を見ていると、ひたすら過去問を解きまくることを推奨している人が多いのですが、私の目的は受かることだけではなく学習すること。
よって、3級のとき同様、テキスト2周、問題集2周、+総合問題をやって、間違えた問題をひたすら解きなおすというスタンダードな勉強方法にしました。
【1週目】まずは6割を目指す
★子どもが寝た後の夜 → テキストを1章分読んで知識を習得(約1~2時間)
★コマ切れ時間の昼 → スマホアプリで、昨晩読んだ章の問題を解く(約1時間)
やり方は3級のときと変わらず、最初は完璧は目指さず(←ここ重要)6割理解を目指して1~2時間くらいでとにかくテキストを読み進めます。 3級で土台知識がついているのでさくさく読めます。
読んだ章の問題を、翌日昼間にスマホアプリで解く。家事・育児の合間のコマ切れ時間を使います。働いている方はお昼休み・通勤時間を使うとよいと思います。
本番形式の4択バージョンではなく、一問一答バージョンで各章全問。1章およそ120~150問。1章トータルでも1時間くらいです。
参考までに、私のこの時点での各分野の正答率は以下の通り(正答率はアプリのマイページで確認)。
章 | 正答率 |
①ライフプラン | 80.3% |
②リスクマネジメント | 57.5% |
③金融資産運用 | 80.0% |
④タックスプランニング | 79.5% |
⑤不動産 | 70.7% |
⑥相続・事業継承 | 72.7% |
3級取得による知識の土台があるため、この時点でそこそこ正答率高めです。2章リスクマネジメントの正答率が極端に低い為、この後強化。
【2週目】8割を目指す
1日1章ずつテキスト読みなおし。イメージは「8割覚えるレベル」。かける時間は1週目同様、夜2時間、昼1時間程度。
完璧を目指すと進まなくなる可能性があるので、記憶を厚塗りする、くらいの感覚で2時間程度を目安に読み直していきます。苦手なところには付箋を貼っておき、後でピックアップしやすくしておきます。
学科の問題は一週目同様、各章全問解いていきます。
この時点で各分野の正答率は以下の通りにアップ。
章 | 正答率 |
①ライフプラン | 94.1% |
②リスクマネジメント | 90.0% |
③金融資産運用 | 94.2% |
④タックスプランニング | 96.2% |
⑤不動産 | 89.7% |
⑥相続・事業継承 | 93.2% |
概ね9割を超えてきたので一安心。
【2週目週末(日曜)】
子どもを旦那に預け、1日で実技を1~6章分全て解きます(※FP協会分のみ)
3級のときはこれがトータル2時間程度で全て解けるレベルでしたが、2級は1章あたり1時間程度かかります。長めに勉強時間を取れない場合は、2日に分けた方が無難です。
この時点で私の実技の正答率。
章 | 正答率 |
①ライフプラン | 81.0% |
②リスクマネジメント | 68.0% |
③金融資産運用 | 80.0% |
④タックスプランニング | 86.0% |
⑤不動産 | 80.0% |
⑥相続・事業継承 | 75.0% |
2章の保険証券を読み解く問題、6章の相続税計算&不動産の評価額計算は不正解乱発。全く解けないものもありました。
理解しているつもりで、きちんと理解できてなかったことに正直かなり落ち込みました。。
【3週目 月・火】実技強化
実技でミスした問題を解きなおし。またミスが出たらできるまで解きなおし。
時間はないものの、教科書を読んでるだけではどうも覚えられないような苦手な部分はノートにまとめていきました。時間がないのでざーっと書いて、ざーっとマーカーで強調。そして講師になったつもりで、自分で自分に講義をして覚えます。
問題集は後で売ると決めていたので、一切書き込みはしませんでした(←せこい)。問題を解くときはノートを使用。
間違えた問題については解説のポイントをノートに書き込んでおきます。こうすることで、自分の苦手分野が濃縮されたノートができあがるので、試験直前対策に役立ちました。実技の計算問題は計算結果もきちんと残しておくと、どこで何を間違えたのか分かるので必ず残した方がよいです。
自分は実技は勉強2週目に一気に解きましたが、間に合うか少し不安になってしまいました。可能なら1週目に解いて早めにレベル感を確認しておく方がおすすめです。
【3週目 水・木】総合問題
総合問題を本番同様の時間設定で解きます。(学科120分、実技90分)
自分の正答率は学科78%、実技85%。
実技がきちんと取れたことでかなりほっとしたのを覚えています。
【3週目 金】学科強化
総合問題で学科の正答率が低かったので、
アプリで、学科の今まで間違えた問題を全て解きなおし。
データ分析機能で他のユーザの正答率が低い問題も解いて力試ししました。
【3週目 土】試験前日 苦手箇所の復習
問題量は十分量をこなしたため、教科書を読んだとき付箋をつけておいた箇所と、ノートにまとめた内容をざっと読み直しました。
夜は早めにおやすみなさい!
試験当日
【午前】学科 60問120分
3級同様60分経過後は退出OKですが、2級は途中退出する人は少ないです。
私は大体20問30分を目安に解いていき、残りの時間は見直しを念入りにしました。
休憩は90分。いっぱい食べて、よく寝ました。
【午後】実技 40問90分
実技も3級は30分程度で解き終わりましたが、2級はぎりぎりでした。
15問30分を目安にし、大体20分前には終了する見込みだったのですが、実際全て解き終わったのは終了10分前…見直しは最低限。
なんでかというと、試験開始と同時に隣の人が机に突っ伏し、具合悪そうに試験官と教室を出たり入ったりしているのに気をとられて集中を欠いたからです。。はい、言い訳です。
FPは9月、1月、5月に試験があるのですが、1月は寒いし風邪も流行するしハイリスクですね。9月試験か5月試験がおすすめです。
自己採点
学科は50/60点・正答率83%(36点で合格)
実技は85/100点(※)・正答率85%(60点で合格)
(※)実技は配点が公表されていないので、LECの配点予想を使って算出しました(LEC会員じゃなくても無料登録で使用可能)。
⇒実際の点数も自己採点通りでした。LEC配点予想ピタリ。
FP2級を受けた感想
家族を守れるお金の知識がついてきた
これは3級を取ったときに感じたのですが、家族を守るための基本的なお金の知識がつきました。たとえば…
- マンション購入相談会で無料のFP相談を受けたら、保険屋勤務のFPだった為かなぜか積立て保険の勧誘をされ…。貯金代わりだと連呼するので、満期時の利回り、解約返戻率、該当する所得控除、付帯する保証等をトータルで考えると我が家にとってはお得な保険ではないと淡々と説明したら穏便に契約回避できた。自分である程度の知識をつけておくことは、無駄な契約を結ばないための自衛になると感じた。
- 今までは両親のお金のことについて口出しをしてもうざがられるばかりだったのが、逆に相談を受けるようになった。年金を繰り下げ受給した方がよいか、退職後の社会保険はどうすればよいか、生前贈与はどのような方法があるかなど。一般的な内容でも、身内には遠慮なく聞けて安心につながる様子。
AFP(更新性のFP資格)に登録する予定は今のところありませんが、今後も最新の税制などについては趣味で勉強していきたいなぁと思っています。せっかく基礎を叩き込んだので、知識のアップデートはかけていきたいです。
たるんだ脳みそに喝!
FP3級は2週間、FP2級は3週間と、勉強期間こそそれほど多くはありませんでしたが、合格に向けた勉強計画を立て、それをこつこつと遂行し、合格する、というのは快感でした。"興味はあったけれどよく知らないこと"を覚えるのはとても楽しかったです。
私は頭を使わないとすぐになまってしまうので、育休から復職に向けてのよいリハビリにもなったかと思います。
また、本番で8割得点できたことで、自分の勉強計画や見積りが間違っていなかったのだという自信にもつながりました。
もちろんもっと短い時間で簡単に受かった人は世の中にたくさんいると思いますが、私はこれくらいの勉強時間が最低ラインでした。素人なりによくやった方だと思います。
受かることは結果論、学習することが目的、というのは達成できました。
生活にメリハリがついた
あくまで趣味の範囲で取得している資格なので、平日は家事・育児をおろそかにしない、というのがマイルールでした。休日は料理のみ作っておき、それ以外は遠慮なく夫に頼りました…感謝。夫も私がお金の勉強をすることは好意的に思っているので、かなり強力してくれました。
日中は家事と育児(息子昼寝中は勉強)、夜は勉強、と割り切りました。
また、勉強を1日何時間、という目標にはせず、章単位で目標を立てていたので、目標を達成したらその後はテレビを見たりして好きに過ごしました。
期間が短いからとあせって隙あらば勉強する、というのではなく、この時間にやると決めたものに集中する、ということを徹底したことで、生活にメリハリがつき、結果的に効率よく学べたと思います。メリハリ大事!
まとめ
FP2級は、金融素人&独学でも3週間勉強すれば本番で8割得点して合格できる!!!
次は日商簿記を取りたいな~と思っているのですが(株の売買をするうえで、財務系の知識がもう少し欲しい為)、復職することを考えるとしばらくは無理だろうな…
仕事と育児・家事の両立に慣れてきたら、また何かしら挑戦したいです。
独学だと自信がないという方へ
FP2級は独学&短期間で合格可能な資格です。
ただし、独学で合格するには計画的な勉強とモチベーションの維持が必須です。
プロの力を借りれば、より確実に合格をアシストしてもらうことができます。
アガルートアカデミーでは、FP受験者用の通信講座を開講しています。
講義担当はFPに精通したプロ講師で、短期間合格に必要な要素を盛り込んだオリジナルテキストをフルカラーで作成しています。
講座は3倍速再生やテキスト同時表示、音声ダウンロードなど受講方式が多彩なため、通勤時間や育児の合間を使って効率よく勉強を進めることができます。
1年以内にFPを受験した方であれば割引制度もあります。
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~3級受験時の記事はこちら~